人の目はよくカメラに例えられますが、カメラのレンズにあたるものが水晶体です。
白内障はこの水晶体が濁って視力が低下する病気です。
濁ってしまう原因の多くは老化によるものです。
水晶体の濁り方は人それぞれですので症状も人によって様々です。
白内障手術は濁った水晶体を砕いて取り除き、人工の眼内レンズを水晶体の代わりに入れる手術です。
点眼麻酔を使用して片目約10分以内で終了します。入院の必要は無くその日の内にご帰宅頂けます。
白内障手術の前後には診察を受けて頂きます。
術前・術後の診察は大変重要なので必ず受診するようにしてください。
他院からのご紹介の方は術後早期に紹介元の眼科へ再紹介させて頂きます。
1.手術日決定
白内障と診断し、手術をご希望された場合、ご相談の上手術日を決定します。
感染症の確認のため血液検査を行います。
2.説明会・術前検査
手術の内容、手術当日の来院時間、手術前や手術後に点眼して頂く目薬等について説明をさせて頂きます。
ご不安のないようにスケジュール表もお渡しします。
手術では眼内に人工のレンズを挿入しますので、レンズの度数を決定するための術前検査を手術日の1週間前までにさせて頂きます。
単焦点レンズ、多焦点レンズ、乱視矯正レンズを扱っていますので、
患者様ひとりひとりの目の状態やライフスタイルに合ったレンズを選択します。
3.手術当日
手術開始時間の1時間前に来院して頂き、点眼剤にて散瞳を行います。
手術は点眼麻酔のみで5〜10分程度で終わります。
術後は院内で少し休憩して帰宅して頂きます。 術前の準備、術後の安静を含めて計2時間程で帰宅して頂けます。
4.術後の通院
基本的に術後翌日、2〜3日後、週明けと、通院して頂いています。
その後は問題なければ1週間後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後と診察期間を延ばしていきます。
ご不明な事があればお気軽にお問い合わせください。
白内障手術の際に眼内に挿入するレンズには、大きく分けて2種類があります。
単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズです。
単焦点眼内レンズは、遠くか近くどちらか一方にしかピントが合わないのに比べ、
多焦点眼内レンズは遠くと近くの両方にピントを合わせる事ができ、生活の中でメガネの依存度が減らせるのが最大のメリットです。
最近では焦点が三点(遠く・中間・近く)のものが主に使用されており、当院でも取り扱っております。
ですが、多焦点眼内レンズは構造が複雑なため単焦点レンズに比べると、
コントラスト(濃淡やシャープさ)の低下やハローグレア現象(光がぼやけて見えたり、ぎらぎらと眩しく感じたり)を生じる場合があります。
特に夜間の運転時は、対向車のヘッドライトや街灯の光が強烈に感じることがあるので、日常的に運転する方は注意が必要です。
Technis Odyssey(テクニスオデッセイ)は、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発した最新の多焦点眼内レンズであり、日本国内では2024年11月から使用が始まりました。このレンズは、遠方から近方まで滑らかに視界を移動できる点が特徴です。
昼夜を問わず、より鮮明でクリアな視界を提供することが期待されています。日常生活のさまざまな場面で視界が向上し、室内での読書やパソコン作業はもちろん、屋外での活動も快適に楽しむことが可能です。
Clareon Pan Optix(クラレオンパンオプティクス)は、アメリカのアルコン社が開発した3焦点眼内レンズです。このレンズは、既に国内で承認されているPan Optixの優れた特徴を引き継ぎつつ、アルコンの最新素材であるClareonを採用することで、長期間の透明性をさらに向上させています。
ENLIGHTENテクノロジーを活用することで、遠くの視力を犠牲にすることなく、40~60センチの近距離から中距離にかけて連続的にピントを合わせることができます。そのため、従来の製品に比べて眼鏡の使用頻度がさらに減少します。さらに、レンズには瞳孔径に依存しにくい4.5mmの回折ゾーンが採用されており、薄暗い環境でも見え方への影響を最小限に抑えています。
Clareon Vivity(クラレオンビビティ) は、Alcon社が開発した多焦点眼内レンズで、非回折型の焦点深度拡張型(EDOF)レンズです。独自の技術により、遠方から中間距離まで連続的にピントが合い、ハローやグレアが非常に少ないのが特徴です。コントラスト感度の低下もほとんどなく、非常にクリアな視野を提供します。
ただし、手元がやや見えにくいという欠点があり、特に元々手元がよく見えていた方には注意が必要です。ある程度のことは裸眼ででき、ハロー・グレアやコントラスト感度の低下といった多焦点眼内レンズ特有の欠点がほぼない自然な見え方を望む方には非常に適したレンズです。手元にピントが合いにくい点を許容できるかが重要な判断ポイントとなります。
コントラスト感度の低下がほとんどないため、黄斑や視神経に病気のある方でも使用できるのが大きな特徴の一つです。夜間の運転などの際に見え方が悪くならないため、そのような状況が多い方にも適しています。
現状、乱視矯正レンズの設定がないことと、度数範囲が10.0Dから25.0Dと決して広くないことが、適応になる患者を限定する要因です。そのため、角膜乱視がある方や、強い近視や遠視の方には使用できません。
INTENSITY(インテンシティ)とはHanita Lenses社(イスラエル)製の回折型の5焦点眼内レンズです。従来の多焦点眼内レンズの「近方」「中間」「遠方」に加え、「遠中」「近中」も含めた5つの焦点距離を併せ持つ眼内レンズで、新しい技術が採用されています。
目の中には目の丸い形を保つ房水と呼ばれる液体が流れています。
この房水の流れが滞ると眼圧が上がり、神経を圧迫します。
その結果、神経が傷んで視野が欠けてしまいます。
緑内障の治療の基本は眼圧を下げる事です。
眼圧を下げる点眼薬を使用します。
それでも眼圧のコントロールが難しい場合には手術を行います。
硝子体とは眼球の大部分を占めるゼリー状の部分です。
硝子体手術はこの硝子体に出血がある場合や、
硝子体の奥の網膜に何らかの疾患がある場合に行います。
結膜(白目の部分)に小さな穴を3箇所開けます。
それぞれ、ライト・硝子体カッター・眼球の形を保つ機器を入れます。
その後、硝子体を取り除き、疾患に応じた処置を行います。
場合により、ガスや空気を眼内に入れる事もあります。
その場合姿勢の指定があります。
眼瞼下垂症とはまぶたが垂れ下がり、
黒目の部分に覆いかぶさった状態の事をいいます。
先天性のものと後天性のものがありますが、
ほとんどの場合は加齢による後天性のものです。
視野が狭くなる症状の他に、
頭痛・肩こりを引き起こすこともあります。
まぶたを切開し、余分な皮膚等を切除した後に
まぶたの中の筋肉を縫い縮めてまぶたを引き上げやすくします。
硝子体注射は硝子体に抗VEGF薬を注射する治療です。
抗VEGF薬は新生血管の動きを抑える薬で、
疾患を根本治療できる薬ではありません。
対処療法となりますので、定期的に注射を行う必要があります。
近年全世界で子供たちの近視が急速に増えてきています。
原因として、外で遊ぶ機会の減少、
スマホ等の使用時間の増加が影響していると指摘されています。
高度な近視の場合、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、
緑内障等に発展することもあると言われています。
黒田眼科では、近視抑制治療として、
低濃度アトロピンやオルソケラトロジーを行っています。
これらの治療は近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、
少なくとも2年間継続して使用することで、
何もしない方と比べ近視の進行を約50~60%軽減できたとの報告があり、
臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法です。
これらの治療は自費診療となります。
網膜光凝固術は、網膜の様々な病気の治療として行われています。
特定の波長のレーザー光により
網膜を凝固させることにより病気の進行を抑制する治療方法です。
この治療の目的は疾患の進行を抑えるものであり
視力が回復するわけではありません。
しかし、現状の視力を維持し、病気の悪化を防ぐという意味で
レーザー治療は非常に有効です。
後発白内障に対し、眼内レンズの裏にある水晶体嚢に
YAGレーザーを用いて治療します。
後発白内障とは眼内レンズを入れている膜(水晶体嚢)が
濁ってくる病気です。
水晶体嚢にある細胞が増殖することが原因で、
白内障のようにくもったり、かすんで見えたりします。
加齢黄斑変性とは目の奥にある網膜の中心部分にある
黄斑と呼ばれる部分が加齢により機能低下する病気です。
症状としては、視力低下・中心がぼやけて見える・
ゆがんで見える・暗く見える等です。
加齢黄斑変性には「萎縮型」「滲出型」の2つがあります。
「萎縮型」は治療法がありませんが、「滲出型」に移行する事があります。
「滲出型」は硝子体内注射やレーザーでの治療があります。
本来、物を見るときは両眼とも見たい物の方向(正しい方向)を向きますが、
斜視の場合は物を見る時に片目は正しい方向を、
もう片方は正しくない方向を向いてしまいます。
視力の成長過程で何らかの邪魔が入り、
視力の発達が妨げられると弱視になってしまいます。
めがねで矯正しても視力がでません。
アレルギー性結膜炎とは何らかの
アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が目に入り、
結膜(白目の部分)が炎症をおこす疾患です。
代表的なものに花粉がアレルゲンとなり引き起こされる花粉症があります。
ドライアイとは涙の質が悪くなる・涙の量が減る等で目の表面が
ダメージを受ける疾患です。
乾く感じがする以外にも様々な症状があらわれます。
当院では点眼による治療以外に涙の出口を塞ぐ涙点プラグによる
治療も行っております。
ものもらいは学術的には麦粒腫といいます。
麦粒腫はまぶたにある脂や汗を出す箇所に細菌が感染して起こる炎症です。
症状が重い場合は小さな切開を行い、うみを出す事があります。
飛蚊症とは物を見るときに黒い虫や
ゴミのようなものが動いて見える状態の事です。
ほどんどの場合は生理的なものですが、
中には網膜の疾患が原因の場合もあります。
症状に気がついたら検査を受けるようにしてください。
当院では各種コンタクトレンズを取り扱っております。
上記以外の眼疾患にも
幅広く対応しております。
気になる眼の症状がございましたら
お気軽にご相談ください。